R18 前夜祭の後の妻の願い

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 五年ぶりに雪が降り、肌寒くもあった一日がようやく終わろうとしている。私は、ひとり、ベッドで横たわりながら日誌を記録している。

 妻であるユキさんと共に念入りに計画した年始年末の前夜祭は実に楽しかった。これから年末まで各所で毎日パーティー三昧になると思うと、少し気が引けるものの、隣町の施設の子供たちに感謝されるのは良い気持ちになる。単に良いことをした、と思い込みたいだけかもしれないが。

 妻の学校では、個人またはグループを作り、ボランティアを企画する課題が出ていた。全体の流れさえ順序よく掴み得ていれば、家族と協力することは許可されていた。

 妻も含め妻の企画に乗っかった子らと、私はビデオ通話を良くしながら段取りを行っていったのだ。便利な時代になった。
 話し合いで決まった【施設の子供たちと共にパーティーをしよう!】企画では、当然資金源が必要になる。学校から降りる金額とは別途プラスに出す係とやらのメインが私になる。それと、料理係。パレードのように華やかなケーキは出資している子会社のパティシエ数名に話を付けて頼み、妻と他の子らは施設内の装飾や遊戯に専念してもらっていた。

 ひと月前に施設の敷地内で最も大きな木に巨大な靴下をぶら下げて置いた。靴下の中に願いごとを置くように、と子供たちにお願いしていたのだ。折り畳まれていた紙には叶えてやれない希望する贈り物も少なくなかった。
 例えば、
『家族に会いたい』
『死んだママに会いたい』

 こう言った願いは私にはどうすることもできなかったが、妻の案で『仲良く家族のように一緒にプレゼント配りをしたり、料理をしよう!』と、提案してくれたのだ。当日、子供たちが嬉しそうに手伝ってくれたのは、微笑ましかった。

 そんなこんな久々に大量のプレゼントを配ったり、事前に調理をしたものを調達したり、当日料理を大量に作ったのもあって、少々疲れたので、帰宅後はゆっくりとしていた。

 部屋の自動ドアが開く。
 妻は新しくプレゼントした、彼女の紅い瞳と似た色に、胸元が白いフェイクファーに包まれる装飾が施されたネグリジェを身につけていた。肌着は透けて見えており、柔らかそうな肌と白のレースが特徴的な紐パンツが視界をちらつかせる。

「似合ってますね」
「んふっ。ありがとっ! これ、すごく可愛いっ! 気に入っちゃった♡」

 キャピキャピと薄手の紅の生地を摘み、はしゃぎながらベッドに転がる私の腕を揉んだり頬擦りをしてくる。あんなに動き回っていたのに、元気があるのは良いことだ。

 軽いキスを交わすと、私の上へまたがってきた。嗅いだことのあるふんわりと、レモンとはちみつの甘い香りがする。……うちの試供品を使ってくれたようだ。新商品として売りに出そうと立案されている香水だ。後日採用を提案しよう。

 肌着越しに私の股の上へ柔らかな秘部を当てるようにスリスリと擦られる。

「ふふ、今日はやけに積極的ですね」
 私が言うと、妻は首を下げてもじもじし始めた。

「ずっとね、上に乗っかってシてみたかったの」

 妻は話しつつ私のパジャマのボタンを丁寧に外していく。下と合わせたレースのブラジャーと、恐らく詰め物で圧迫させたであろう谷間を見せながら。

「ふふ。自由に動いて、いいですよ」

 私が腕を伸ばし、透けた肌着の上から尻を撫でるとその手を退けた。

「んーん。リシュは、何もしなくていいからっ」

 なるほど。私は両腕を上げ、頭を乗せると「どうぞ」と、声のトーンを高くして一言告げた。妻は顔を紅潮させながらも、私の上半身を露出させては胸や腹を弄り始める。舌を使い、透明な露で塗れさせていく。肩まで掛かっていたオレンジの髪が落ちては皮膚をくすぐる。

──ちゅぱ、ちゅぱと音が部屋に響く。
 呼吸の間隔が速くなった妻のぎこちない愛撫を眺め、妻の腹で圧着され続けていた、せがれがいきり立つ。乳首をいじられたり吸われるのは苦手なのだ。……変な声が出そうになる。

「わ…大きくなってる」

 妻は硬直した息子を肌に感じ取ったのか、体重をかけていた場所を移し始めた。パジャマの上からそれを手で触り、口角を上げながら眺める。
 
 ズボンを下着ごと脱がし、手や口を使って愛撫し始める。思えばこちらは上手に扱うようになった。ハーモニカを演奏するかのように唇を這わせる。心地良い刺激に思わず呻き、嘆息をついてしまうほどに。

──ジュブ、ジュブと音を立て咥え込む。

 硬直が最大まで達すると、妻の口の中で舌が出没運動に合わせてダンスをし始めた。……懸命に悦ばせようとしているのか、視線すら送ってこない。この光景がまた、それはそれで…たまらなくいい。

「んん…っ」

 喘ぐ私を構わず責め立てていく。口内から流れ出る粘性の液を手と指に纏わせて搾り上げる。亀頭の先端を唇に挟み、手で上下にされると、一気に押し上げられてしまう。
 扱き上げる動作が一気に加速する。
 背中に勝手に力が入り、膝を震わせてしまう。

「あっ…イ…ッ」

 妻は爆発寸前で根本を力強く掴んだ。放出はさせてくれないそうだ。

「わっ♡ すごッ……ビクビクしてるッ」
 射精を止めたのが面白おかしいのか、嬉しそうに指で弾く。

「あ……あんまり虐めないで……くださいよ」
 妻はあははっと、ニコニコ笑い、仰け反っているだけの私の唇にキスをしてくれた。

「可愛い♡ 好きっ♡」

 何が可愛いのだろうか、さっぱりわからない。
 マグロを貫くのは好きではないが、たまにはマグロのようになるのも悪くはない。妻に攻められるのは初めてではあるものの、趣向を変えた営みは興奮するからだ。

 レースのパンツの紐を自ら解くと、暴発寸前の愚息に割れ目を擦り付けた。既に万全な準備が整った状態で、陰唇の肉の合間から蜜液が垂れてくる。

──ニチ、ニチと淫猥な音が、律動と共に擦れる衣類と合わせ、微かに聞こえる。

 素股され放題も嬉しいが、先ほどの寸止めのせいか思考があまり正しく働かない。下半身に意識が持っていかれてしまう。……そんな気持ちをきっと、妻は【心や思考を読む力を使い】、読んでほとほと愉しんでいるのかと思うと、余計に〝勇み肌〟な息子に触る。

「んん……ぐ。気持ちいい……」

 腰が勝手に動いてしまう。吐精がしたい。いっそ、押し倒してしまおうか……。
 私が眉間に力を入れながら視線を送ると、妻は顔を覗き込むように私の肩や胸に手の平を置き馬乗りになった。

「ねぇ、結婚する前に、わたしと契約し直したでしょ。あの時から、その……。口約束で命令とか、ナシって話だったけど、えっちの時だけ、命令しても良い?」

 ん? いきなり何を言ってるんだろうか。まさか、拘束でもするつもりなのだろうか。

 んん…。妻になら、拘束されるのも悪くない気もする。きっと優しくしてくれるだろう。

「結婚していても、私とユキさんはパートナー、ですからね。契約上では以前も変わらずユキさんの従者で再契約していますし、ユキさんの好きにしたら………良いんじゃないでしょうか」

 きっと、とんでもなく変な顔をして言ってるのだろう。妻は私が言うとくすくすと笑った。

「ふふ、良いんだね♡」

「……うん」

 私の髪を掻き分け額と額をくっつけると、
「じゃあ、わたしがイッても良いって言うまで、出しちゃダメ♡ 命令!」
 そんな無茶振りを耳元で甘く囁いた。

「……なんてことを」

 口に出して言う前に術を掛けられたかのような、身体が引き締まる感覚が起きた。先ほどの優しくしてくれるだろう、と思ったことが裏目に出た。射精を無理やり禁じられながらのセックスを体験したことはないが、これは腹上死を味わうかもしれない。

──ゴクリと、生唾を飲み込む。

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