R18 前夜祭の後の妻の願い

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「挿れるね…」

 ギンギンに腫れ上がった私を掴み、挿入の準備運動をし始めた。
 濡れ細ばる系。
 妻の引き締まった、腹。
 そそり立ちながらもカバーによって見え隠れする小さな女芯。
 恥骨から盛り上がった女。
 それぞれの境界線を、動かす腰のリズムに合わせ、垣間見る。私の尿道と筋が広がりきっていない女の入り口に、出たり入ったりする。先ほどとは違った感触ではあるが、幾度となく味わってきた快感とは別の快楽に浸り、低く呻いてしまう。

「あんっ……♡ これ、すご……気持ちいいっ……」

──生クリームを溶かす時の入れ混じる空気音のように、ヌチュヌチュと音が聴こえ、皮膚と共に私の刺激を高めていく。

「ああっ♡ あっあっ! 入ったぁぁ♡」

 ひとつになると、せがれから手を退かし、腰をヒクヒクと突き上げながら肉壺の奥に当てていく。慣れていないからか、腕や脚の位置を調整しながら、私を愉しませている。

 しかしながら更なる試練が訪れる。今日の妻の中はいつもよりも締まりが緩やかではあるものの、粘り気のある液が強い。それに、舐めても触ってもいないのに、結合部から女の香気が強くなっていくのが鼻で感じられる。また、セックスをする前に付けたであろう我が社の試供品のコロンと混ざり、独特なフェロモンと化している。匂いに敏感な私にはたまらない要素のひとつであることは間違いない。充満した香りを浴びせられながら、ぎこちなくも前後左右に動かされ、その律動に合わせながらもしっとりと、締め上げられる。抑えられていた爆発の感覚が再び蘇ってきた。

「いっ、いいっ♡ んんっ♡ リシュの、気持ちいいっ♡ 大っきい♡♡」

 実況する妻へ拍手の代わりに、黙って濃厚ホワイトソースを連動と共にぶち撒けてやろうと思ったが、全くもって出そうにも出ない。

「う゛う゛…ぐぐ……」

 背や腹に力は入るものの肝心なせがれは痙攣するだけである。一滴たりとも出発させないつもりなのだろうか。

「ダメでしょ? 出ないってば♡」

 やはり、私の考えることは全て読まれていた。怒らせることを考えることはよそう。

「ユ……ユキさん、ごめんなさい。その、一緒に……。せめて一緒のタイミングで解いてくれませんか……」

 額から流れる汗が滴り、私の腹部に落ちる。結合部から卑猥な音を立てつつ「んん〜…どうしようかなぁ」と、一言告げて突き上げるスピードを加速させた。

──ぐちっぐちっと、艶かしい音が響く。
 三度目の警戒を感じ取っていたものの、足掻くことなく揺れるネグリジェから透けて見える出没運動を眺めている。気付いたら汗が大量に噴き出ていた。露出した胸元や首周りが冷え、もう、気が変になりそうだった。

「はぁ…♡ はぁ…♡ あああっイきそ…♡」

 根本まで入り切らない通路と壁が一気に狭まる。ピストン運動は更に速まると同時に亀裂に圧力が加わり、声にならない声で私は嘆いた。

「あんっ♡ あっあっ…♡ イくぅ……♡」

 騎乗した妻がオクターブを上げると、快楽とともに雪崩れる。
 繋がったまま暴発寸前の私を絞殺させるが如く、ビクビクと痙攣をさせては締め上げていく。
 妻の体温を感じながら私は天井を見上げて息を吸うことに専念した。鼓動が速くなるにつれて、血管が切れそうになるからだ。

 派手なクライマックスをひとりで堪能した妻は私の上半身へ寄せるように詰め寄る。亀頭を女に含めながら汗ばんだ胸にキスをし、舌を捻じ上げ、首を舐めては吸っての繰り返しをする。乱れた呼吸にとどめを刺す行為に、腹部が痙攣し始め、また悶えた。

「ねぇ、怒ってる?」

「怒ってないですよ」
 猫撫で声で言った妻の赤らめている頬を摘む。妻も私の両頬を摘んで引っ張った。
 通路の痙攣が止むと、女筒はゆったりとした形へ変わり始めていく。

「イキたい?」

「ん…わざわざ聞くなんて、随分と意地悪ですね……」

 ふふ、と含み笑いをしながら私の胸を揉んでは先端を摘んで弄ぶ。

「最初にシたときみたいに、中にたっぷり出してくれるなら、イッてもいいよ」

 妻は落ち着いた口調で話すと、摘み上げたものを、尖らせる唇に触れた。

──前夜祭の後の帰り道の事をふと、思い出した。
 妻は私との子供が欲しいと、言ったのだ。身体の成長が遅く、子供を作る機能がまだ備わっていない妻は、そもそも欲しくても作れないのだが。それでも万が一、〝その時が来たら〟と考え、女体での放出はなるべく避けたいと思っている。後処理も踏まえて、スキンもなるべく付けるようにしている。とは言え……互いに感極まって強く望む時に何度も出してはいるが、そこに後ろめたさがないわけではない。何より結婚してから半年も経過していない。まだまだやりたい事がある筈だろうと、説得したが言い方がきつく聴こえてしまったのか、帰宅してからも不貞腐れていた。

 私はもう少し、目に入れても痛くない、愛おしい妻とふたりでラブラブしたいのだ。
 諸々割愛すると前妻とは俗に言う〝出来ちゃった結婚〟であったのと、生活が貧しかったのもあり、やってみたいことはあまり出来なかった。

 円やかな表情をする妻の頭を撫で、思考を引き離す。

「………ねぇ、だめ?」

 腹部の痙攣は落ち着いたものの、愚息は萎えるどころか討ち死にしそうなほど硬く脈を打っていた。

「命令すれば良いじゃないですか」

 妻は頭を数回、横に振った。

「……私は自由に動いて良いと言ったでしょう」

 紅潮させながらも困った表情で見つめ、しおらしく「わたしの中で出してるときのリシュの顔が見たいの」と鳴いた。……なんと。性癖が私と似てきたのか、これは微笑ましい。

 すっかり威勢が消えてしまったのか、頭だけでなく首を撫でても嫌な顔ひとつせず、「んんっ」と小さく鳴き、通路を締め始めた。
 しめた。逆転させるチャンスかもしれない。そう思った私は、大きく広げた妻の太ももを指の腹で摩る。

「だめッ! 今日は……わたしがするのっ!」
 そう言うと、四角い私の指を握っては腕ごと布団の上へ落とす。

「むぅ。手厳しい」

 苦笑した私を睨みつけ、ペニスを食いちぎるように、妻のベストポジションを維持したまま前後左右の運動を始める。再度とは思えないほどキツい搾り具合に、嘆息した。

「あんっ♡ あんっ♡」

 中は十分過ぎるほど濡れ、愛液は私の睾丸を下り落ち、臀部まで滴っている。
 轟発したくてたまらない私を完膚なきまで圧着させる妻は、見たことのない表情を浮かべながら喘ぎ、求める。思わず激しい動きに下半身が勝手に動いてしまう。
 私の微動する腰に合わせて腹部と合わせタッピングされる秘部は、見事に鼓膜を幸福にさせるほどいやらしい音を立てていた。

──ぐちゅっ、ぐっちゅ。と、テンポをずらしながらも、肉の通路から溢れ出る蜜液と肉棒の演奏が響く。

「気持ちいぃ…♡」

 ハーモニーを聴き入り、揺れる身体の振動と共に視界が白く映る。
 呼吸が、苦しい。

──リシュの目が眩む中、ふたりはラブタイムを愉しむ。片方は一方的に、もう片方は求められるならと、献身的に性を放出したがっていた。

 リシュは自分でもよくわからなくなるくらいに呻き声をあげていた。彼は「う゛あ゛っ……」や「ひぎっ」、「ん゛ぐぅ」など、拷問された時以来吐いたことのない声を出していた。

「お゛っ……お願いします…もう、もう、無理ですっ…な、中にっ、出しますからっ…! 射精をさせてッ……んぐ、させてくださいッ」

「もっと、かわい〜く言ってくれないとッ! オッケーしないッ♡」

「かっ…かわいく」

 がっしりと掴む肉のうねりに絶えず放出したい欲求を叫びながら、ユキの悪そうな笑顔を見やり、リシュは歯を思い切り食いしばる。
 汗で引っ付いたネグリジェは上半身の連動を止め、太ももと陰部が見え隠れする程度に揺らめいていた。

「あぁっ♡ またイきそ………ッ」

 ユキは腰をくねらせ、出没運動を続ける。
「ほらほらっ♡ 一緒にぃッ♡ イ……イこっ? イキたいでしょ?」

「ぐぐぁ、イキたいですぅッ…ユキさんのぉ…中に、たっぷり、出させてくださぁい゛い゛♡」

 リシュは歪んだ表情で足のつま先を立て、ベッドのシーツを押し込み、手をサイドボードへ爪で引っかきつけながら握りしめていた。ユキはリシュの腹部を撫で、胸を鷲掴みにし、乳頭を引っぱる。

「あ゛ぐっ」
「んっ♡ ああっ♡ すっごい、かわいい♡」

 腰の律動を更に加速させ、上体を重ね腹這いにさせる。

「イ…くッ♡ リシュッ」

「あぁっ…‼ ユキさんっ…!」

 リシュは逞しい全身を震わせ、ユキの中に白の液弾を乱発させる。濃汁は膣内に留まることができず、逆流する。

 エクスタシーを満足に満たした緩まる蜜壺から、萎えることなく勢いよく飛び出る欲棒は辺りに液弾を撒き散らし、セックスの余韻に浸る時間を奪うくらいに表情が固まった。

──かくして、ラブタイムはホワイトソース塗れの大掃除と変わり、事を終えた。

 意識が飛びそうになりながらも数分の間、妻のオーガズム共に白の液弾を数え切れない回数で乱射させた。とんでもない量だった。
 妻も凝視するほどで、噴射を止めようにも大きなタオルを使ってもだめだった。部屋周辺がそれの匂いで満たされ、自分を含め妻にも大量に浴びさせてしまい、自分の出したもので萎える気持ちになったのは久々だった。

 掃除を終えシャワーをふたりで浴びたあと、少しだけ話したのち、妻は眠った。
 かわいい寝顔を横目に、つい、口元が緩んでしまう感覚が起こる。

 スタートからこれほどまでに長く感じたセックスは恐らく人生で初めてだった。射撃をしたいがために正気を失った私は、ひたすら懇願したと思う。しかし、これほどまでに射精が気持ちいいと思ったことはなかった。禁欲後の自家発電よりも遥かに良い。妻専用としてタチ専ではあるものの、新たな新境地を開拓するのも悪くはないと思った。

 ……でも、どっと疲れてしまった。

 寝る前に耳元で囁いた内容は、前夜祭後の私が諌めたときに続く会話だった。
 子供が欲しくないわけではないと言うと、どこかホッとした表情を浮かべてくれた。
「子供は何人欲しい?」と聞かれ、「五人欲しい」と答えた。妻はふふふ、と柔らかい笑みをこぼした。

 下の話では「次はアナルを攻略したい」とのことだった。それは嫌だと強く断ったが、きっと【命令】されたら従うしかないのだろうと、覚悟を決める。

 関係を持ち始めてから想像よりも遥かにスケベなへと変わっていった……あ、いや。勿論、私が変えてしまった責任もある。しかし私にしか見せない一面だと思えば、大変喜ばしいことだ。

 掛布団を整え、スヤスヤと眠る妻をもう一度見つめたあと、薄暗い天井を見て目を瞑る。 

 願わくば元気な子供に恵まれるその日が来るまでに、追究すべきものに勤勉であって欲しい。
 そして、子ができても笑顔を絶やさずにしてやりたい。
 私の願いは、妻の願いを叶えることだから。

前夜祭の後の妻の願い END

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